米国におけるシェーグレン症候群、有病率は0.37%で女性患者が大多数
株式会社社会情報サービスは4月26日、同社が提携する米Cerner Enviza社が企画・実施した世界12か国の国民健康調査「National Health and Wellness Survey(NHWS)」から公開した、米国におけるシェーグレン症候群の分析結果を公表しました。
NHWSは、世界12か国において、原則的に一年に一回、生活者を対象に行っている大規模な健康意識調査。生活者の属性や生活の質および200以上の疾患・症状の有病率や診断率、治療状況についてアンケートを実施しています。今回は米国におけるシェーグレン症候群の疾患負担について、併存疾患や精神面の影響、労働生産性や日常活動への負担があるかどうかの分析を行ったそうです。
シェーグレン症候群は、涙や唾液を作っている臓器を中心に炎症を起こす全身性自己免疫疾患で、中年の女性に発症しやすいと言われています。その症状としては、乾燥症状に加え、強い疲労感、慢性疼痛、主要臓器の病変、神経障害などがあり、リンパ腫などの深刻な合併症を伴う可能性もあります。
今回の調査では、米国での有病率は0.37%、患者の大多数は女性(82%)という結果に。また、シェーグレン症候群と診断された患者さんのがんに対する罹患率では、子宮頸がん、前立腺がん、その他の腫瘍に対して一般成人の3倍の確率で罹患していることも判明。さらに、骨粗しょう症や関節リウマチといった関節疾患では、一般成人の6倍もの確率で発症していたそうです。加えて、シェーグレン症候群による疾患負担は精神面にも影響を与えており、双極性障害や強迫性障害といった精神疾患の有病率は、一般成人の倍の数値が示されたとしています。
今回の研究では、がんやリウマチなど負担の大きい併発疾患を抱えるケースが多いことや、精神的な疾患を多くの患者さんが抱えており、仕事や日常生活に悪影響が出ていることが分かりました。リリースでは、「このような結果を多くの人が理解することが、この希少疾患に苦しむ患者さんのサポートにつながっていくと考えます。シェーグレン症候群の更なる研究と社会的認知度の向上、意識の啓発が重要と言えるでしょう」と述べられています。