潰瘍性大腸炎(UC)治療薬カロテグラストメチル、国内製造販売承認を申請
EAファーマ株式会社とキッセイ薬品工業株式会社は5月28日、潰瘍性大腸炎(UC)治療薬として両社で共同開発しているAJM300(一般名:カロテグラストメチル)について、EAファーマが日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表しました。
AJM300は、EAファーマ(旧味の素製薬)が独自に創製したα4インテグリン阻害作用を有する低分子化合物。2015年以降、EAファーマとキッセイ薬品は、同剤の共同開発を進め、経口投与可能なα4インテグリン阻害剤として世界初の製品化を目指しているそうです。今回の申請は国内で実施された第III相臨床試験である「AJM300/CT3試験」などの結果に基づくものであり、その詳細は今後学会などで公表する予定とのことです。
潰瘍性大腸炎患者さんの大腸粘膜病変部位では、リンパ球など炎症性細胞の過度な集積や浸潤が認められます。両社が開発を進めるAJM300は、炎症性細胞表面に発現する「α4β1インテグリン」と「α4β7インテグリン」の両方に作用。大腸粘膜の血管内皮細胞に過剰に発現する接着分子との結合を介する細胞接着反応を阻害して、病変部位への過剰な炎症性細胞の浸潤を抑制し、抗炎症作用を発揮すると考えられています。
EAファーマとキッセイ薬品はプレスリリースで、「AJM300を早期に医療現場に提供することで、潰瘍性大腸炎治療の選択肢を広げ、患者様とそのご家族のQOL向上に、より一層貢献できるよう努めてまいります」と述べています。