1. HOME
  2. 難病・希少疾患ニュース
  3. olipudase alfa、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症患者の肺機能と脾容積を改善

olipudase alfa、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症患者の肺機能と脾容積を改善

サノフィ(フランス)はolipudase alfa(遺伝子組換え)について、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ニーマンピック病B型)患者の肺機能と脾容積を改善したと発表しました。酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症はライソゾーム病に分類される遺伝性の希少疾患で肝脾腫などの内臓障害、筋緊張低下、成長障害といった症状がみられます。

第70回米国人類遺伝学会(ASHG2020)において、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)成人患者と小児患者をそれぞれ対象とする2件の臨床試験の結果が発表されました。成人ASMD患者を対象とした臨床試験(ASCEND試験)はASMD B型と診断された36名が参加し、olipudase alfa投与により肺機能がベースラインと比較し22%の改善、脾容積がベースラインと比較し39.5%減少しました。また、小児のASCEND-Peds試験には出生後18歳未満の患者が20名参加し安全性および忍容性が確認され、現在20名は全員試験を完了し長期継続投与試験へ移行しています。さらに投与後52週時点までの評価では臨床上意義のある改善が認められています。

olipudase alfaは患者の不足または欠損している酸性スフィンゴミエリナーゼを補充し、スフィンゴミエリンの分解を促進し細胞への蓄積を抑制する目的で開発中の酵素補充療法の薬剤です。現在は臨床開発段階であり、いずれの各国規制当局においても認可は得られていません。

出典元
サノフィ プレスリリース

関連記事