小野薬品、パーキンソン病症状の日内変動を改善する薬剤について国内における製造販売承認を取得
小野薬品工業株式会社は2020年6月29日、パーキンソン病症状における日内変動に対し、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬である「オンジェンティス®(一般名:オピカポン)錠 25mg」の国内製造販売承認を取得しました。先立って行われた臨床試験では、オンジェンティス®の使用により、レボドパおよびドパ脱炭酸酵素阻害剤(DCI)を使っていくうちに薬効の持続時間が短くなっていく「ウェアリングオフ(wearing-off)現象」というパーキンソン病特有の現象が改善されました。
承認申請に先立って行われた臨床試験(ONO-2370-02)は、レボドパおよびドパ脱炭酸酵素阻害剤(DCI) を使っておりウェアリングオフ現象が認められるパーキンソン病患者を対象に行われました。臨床試験は、レボドパおよびDCIと実薬(治験薬)または偽薬(プラセボ)のどちらかを投与される段階と、それに続く、全員がレボドパおよびDCIと治験薬を長期的に投与される段階からなります。治験参加前のオフ時間と比較し、レボドパおよびDCIと治験薬を併用によりウェアリングオフ減少の時間が短縮されました。1日1回のオンジェンティス®投与により薬の効き目が長くなることで、患者の服薬に対する負担が軽減され服薬に対する積極的な参加が期待されます。
パーキンソン病は、中脳と呼ばれる部分のドーパミン神経が不足することにより発症します。ドーパミン神経が減少することによって体を自由に動かすのが難しくなり、手足がふるえたり、筋肉がこわばったりといった症状がみられます。ドーパミン神経が減少する原因の詳細はまだ明らかになっていませんが、α-シヌクレインが神経細胞内に凝集し溜まっていくことで発症すると考えられています。