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肺胞蛋白症への新治療法の実用化が見えた

指定難病の「肺胞蛋白症」に対してGM-CSF吸入療法という新しい治療法に関する必要なデータパッケージが揃い、承認に向けて道筋が見えてきました。

肺胞蛋白症は、肺のうち、酸素と二酸化炭素を交換する場所である肺胞においてサーファクタントという物質が過剰に溜まってしまうことで血液中の酸素が不足し、息切れや呼吸困難等の症状を呈します。もともとサーファクタントという物質は界面活性物質で、適正量であれば肺胞に空気をいれて広げるためのエネルギーを下げる役割を果たしています。今まででは、全身麻酔下でチューブを入れ、片肺ずつ20〜30Lの生理食塩水で洗浄するという全肺洗浄法が行われてきました。

特発性の肺胞蛋白症では原因が抗GM-CSF自己抗体であることが1998年にわかってから、GM-CSFを吸入により肺胞まで到達させることで、サーファクタントの分解が促進され、呼吸不全が改善されるのではないかと考えられていました。そして、2000年に実際に患者に対して治療が行われ、ほとんど寝たきりだった40代の女性が社会復帰できるまでに劇的に回復しました。その後、2012年までに5社も製造販売権が移るなど、うまく進まなかったそうです。そうした中で、2012年にSanofiGenzyme社が交渉を進め、4つの条件が規制当局から提示されました。

それらが少しずつ解決され、今回医師主導治験が終わり、論文化されたことで、薬事承認申請のためのデータが揃ったということで、承認に向け進んでいきます。

元のニュースはこちらです。

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