東北大と慶大など、iPS細胞を用いて筋萎縮性側索硬化症の新規病態を発見
ALSのうち約10%にあたる家族性(遺伝性)ALSで、FUS遺伝子に変異を持つ患者のiPS細胞を利用することで、ALSの新たな病態(病的な状態)とその原因遺伝子を発見し、早期治療標的候補が見つかりました。
今回わかった新たな病態は、神経変性に先んじて神経の「軸索」(ニューロンからにょろーっと伸びていく突起構造)の形態異常が起きていることで、この原因としてFos-B遺伝子が中心的な役割を担っていることが見出されました。この軸索形態異常が早い段階で起きることから、早期治療を行う上でターゲットとなりうることが考えられます。
また、従来検討が難しかったもののヒトの運動ニューロンの軸索の解析が今回可能になり、これは他の神経変性疾患の研究にも利用される可能性があります。
こうした一つ一つの研究が実を結んでいくことに期待していきたいですね。