虫垂切除術とパーキンソン病の関係?
虫垂切除術を受けた患者がパーキンソン病になるリスクが上がるということが学会発表されましたが、以前には正反対の結果も出されており、実際のところよくわからないというニュースです。
今回発表された研究によると、虫垂切除術を行った患者はパーキンソン病になるリスクが3倍に上がるという相関関係が示されました。しかしながら、これは決して因果関係を証明するものではなく、たとえ因果関係であったとしても、さらなる研究で機序を明らかにする必要が言われています。また、以前の研究では正反対の結果が出されています。
こうしたことの背景には、近年脳と腸が密接に影響を及ぼし合うとされる「脳腸相関」と呼ばれる現象があります。しばしばたとえとしてあげられるものに、ストレスを感じるとお腹が痛くなり、便意をもよおすというものがあり、これは脳から自律神経を介して腸へ伝わったものであると解釈されるものがあります。
医学にはまだまだわからないことがあり、「良かれと思って行ったことが、別の経路で悪さをしてしまっていた」ということはこれからも見つかってくるかと思いますが、それもまた進歩であるのだと感じさせられますね。