1. HOME
  2. 限局性強皮症

げんきょくせいきょうひしょう
限局性強皮症Localized scleroderma

小児慢性疾患分類

疾患群14
皮膚疾患
大分類10
限局性強皮症
細分類15
限局性強皮症

[Orpha番号:ORPHA90289]

限局性強皮症は、皮膚とその下床の結合組織(皮下組織、筋膜、筋肉、骨)の炎症性および硬化性病変を特徴とする稀な皮膚疾患である。頭部、頸部、体幹、四肢に、皮膚の炎症と肥厚を伴う斑状または帯状の皮膚病変を引き起こす。

病気・治療解説

疫学

限局性強皮症の発症率は、国によって異なるが、年間1/37,000人から1/625,000人と推定されている。主に女性が罹患する(女性/男性比は約3:1)。診断時の平均年齢は8歳から47歳である。患者の2/3は成人期に発症する。小児期に発症した場合(発症率のピークは7歳から11歳)、限局性強皮症は「若年性」と呼称される。

臨床像

限局性強皮症は、いくつかの亜型 (コンセンサスにより定められた分類はない)、すなわち限局性 (限局性または斑状強皮症)、汎発型限局性強皮症(4個以上の病変および/または2〜3か所以上の解剖学的部位に分布)、pansclerotic morphea、線状強皮症に分類される。線状強皮症は小児や青年に発症する傾向があり、一方、斑状強皮症は成人に多く見られる。ただし、両者が同一患者に併存することもある (mixed morphea)。病初期には、手、上肢、顔または下肢に片側性に硬化し乾燥した皮膚の領域が現れる。続いて、遠心方向に広がる局面または幅広い線状皮疹(線状強皮症) が出現する。局面は円形または卵円形で、多くの場合白色の外観と紫色の境界を呈する。線状強皮症は主に顔、胸部、上肢、下肢に発生する。顔面に病変が及ぶ場合、前額部に現れた線状皮疹に陥凹が生じ、剣創状(”en coup de sabre”と呼ばれる)の外観を呈することがある。線状強皮症は、下床の脂肪や筋肉にまで及ぶ傾向があり、筋萎縮や頭痛、痙攣、ぶどう膜炎などの眼科的または神経学的障害を引き起こすこともある。限局性強皮症は、顔面または四肢の顕著な非対称性、屈曲拘縮および障害に至ることがある。レイノー現象は通常見られない。限局性強皮症が全身性強皮症に移行しないことに留意する必要がある(まれに、全身性強皮症と限局性強皮症が併存することがある)。

病因

限局性強皮症の正確な原因は不明である。本疾患は遺伝的素因と環境要因の組み合わせにより発症する。血管系および自己免疫系経路が関与し、局所的な細胞外マトリックス(コラーゲン)の過剰産生を引き起こす。

診断方法

診断は臨床症状に基づいて行われる。皮膚生検では、コラーゲンの異常蓄積、血管壁の肥厚、真皮乳頭層および血管周囲の炎症細胞浸潤が明らかになることで、診断確定に役立つ場合がある。血液検査は通常、正常である。全身性強皮症に関連した特異抗体(抗トポイソメラーゼ抗体、抗セントロメア抗体または抗RNAポリメラーゼIII抗体)以外の抗核抗体を有する患者も存在する。

鑑別診断

鑑別診断には、硬化性苔癬、環状肉芽腫、慢性遊走性紅斑、薬剤性皮膚炎、好酸球性筋膜炎、全身性強皮症(特に汎発型限局性強皮症/pansclerotic morpheaの場合)などがある(ただし、これらに限定されない)。

管理および治療

治療は対症療法であり、限局性強皮症の病変に対しては、ステロイド外用、タクロリムス、ビタミンD誘導体またはイミキモドを使用し、機能的または整容的な影響を及ぼす可能性のある頸部および四肢の線状強皮症または汎発型限局性強皮症に対しては、全身ステロイド、メソトレキサートまたは光線療法が行われる。不可逆的な組織損傷を防ぐため、治療は速やかに開始すべきである。理学療法は、皮膚硬化や筋肉拘縮の進行抑制に有用な場合がある。

予後

予後は通常5年以内は良好であるが、慢性化や再発を繰り返すこともある。限局性強皮症が生命を脅かすことは稀であるが、生活の質(QOL)に深刻な影響を及ぼす可能性がある(特に小児の場合)。線状病変は局面病変よりも長く持続する傾向がある。

翻訳情報

専門家による英語原文の校閲
Pr Eric HACHULLA
Pr Vincent SOBANSKI
日本語翻訳版の監訳
尹 浩信(難治性疾患政策研究班「強皮症・皮膚線維化疾患の診断基準・重症度分類・診療ガイドラインに関する研究」)
藤田 靖之(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)
日本語版URL
https://www.orpha.net/data/patho/Pro/other/Localized-scleroderma_JP_ja_PRO_ORPHA90289.pdf
英語原文URL
https://www.orpha.net/en/disease/detail/90289

最終更新日:2024年2月
翻訳日:2025年12月

本要約の翻訳は、未診断疾患イニシアチブ(IRUD)臨床専門分科会に所属される専門医や、その他の希少疾患専門医のご協力の下で行われています。

注意事項

※本要約は情報の提供を唯一の目的として公開しているものです。専門医による医学的ケアの代わりとなるものではありません。本要約を診断や治療の根拠とすることはお控えください。

※この情報は、フランスのOrphanetから提供されており、原文(英語)がそのまま日本語に翻訳されています。このため、国内で配信されている他の媒体と一部の内容が異なる場合があります。保険適用に関する診断基準など、国内の医療制度に準拠した情報が必要な場合は、厚生労働省の補助事業により運営されている難病情報センターや小児慢性特定疾病情報センター等の専門情報センターのホームページをご参照ください。

ピックアップ・イベント

ニュース一覧

イベント一覧

この疾患に関するピックアップ記事、イベントはありません

実施中の治験/臨床試験