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ダラキューロが全身性ALアミロイドーシスに対する承認を取得

ヤンセンファーマ株式会社は8月25日、ヒト型抗CD38モノクローナル抗体/ヒアルロン酸分解酵素配合剤「ダラキューロ(R)配合皮下注(一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))」について、シクロホスファミドならびにボルテゾミブおよびデキサメタゾンとの併用療法である「DCyBorD療法」において、全身性ALアミロイドーシスを効能または効果とする製造販売承認を取得したと発表しました。

国指定の難病である全身性ALアミロイドーシスは、2014年に実施された全国疫学調査によって国内推定患者数は3,200人とされています。アミロイドーシスはアミロイドと呼ばれる線維状の異常蛋白質が全身のさまざまな臓器に沈着し、機能障害をおこす病気の総称。複数の臓器にアミロイド蛋白が沈着する「全身性アミロイドーシス」と、特定の臓器に限局してアミロイド蛋白が沈着する「限局性アミロイドーシス」に分類されます。

全身性アミロイドーシスのひとつであるALアミロイドーシスは、異常形質細胞よって産生されるモノクローナル免疫グロブリン軽鎖に由来するアミロイド蛋白の沈着により、心臓、腎臓、脾臓、肝臓など、多臓器障害を引き起こし、その臓器障害により生存率の低下や疾患の転帰に影響を及ぼします。

ダラツムマブは、CD38を標的とするモノクローナル抗体。ダラツムマブ皮下投与製剤であるダラキューロは、日本では今年3月に多発性骨髄腫の治療薬として承認を取得し、5月に発売されていました。

今回の承認は、国際共同第3相試験である「ANDROMEDA試験」に基づくもの。同試験では、未治療の全身性ALアミロイドーシス患者さんを対象に、CyBorD療法に対するダラキューロの上乗せ効果を評価しました。

試験の主要解析では、主要評価項目である血液学的完全奏効(hemCR)率は、DCyBorD療法群で53%、CyBorD群で18%(P<0.0001)、また6か月時点での臓器奏効率は、心臓ではDCyBorD群で42%、CyBorD群で22%、腎臓では、DCyBorD療法群で54%、CyBorD群で27%を示しました。

安全性の評価では、DCyBorD群は血液学的奏効および臓器奏効を示し、安全性における新たな懸念はありませんでした。なお、臨床試験ではMayo Clinic Cardiac Staging Systemに基づく心臓病期stageIIIb、NYHA分類クラスIIIBまたはIVの患者さんは除外されているそうです。

希少疾患である全身性ALアミロイドーシスに対してこれまで承認された治療薬はなく、ダラキューロが同疾患を適応とする初めての治療薬とのこと。ヤンセンの代表取締役社長である關口修平氏はプレスリリースにて、「ヤンセンは、血液腫瘍および希少疾患に対する画期的な治療薬の開発を推進し、患者さんの課題を解決すべく尽力しています。血液疾患領域における当社のこれまでの実績とコミットメントに基づき、疾患とともに生きる患者さんの生存に寄与するため、これからもダラキューロ®の可能性を最大限に探索して参ります」と述べています。

出典元
ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース

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