東北大、肺高血圧症の新規判別法を発見
指定難病である「肺動脈性肺高血圧症」と「慢性血栓閉塞性肺高血圧症」に関し、ともに肺高血圧症であるために非常に似た症状を示し、判別が難しいという問題や、そもそも疾患の早期発見が難しいという問題がありましたが、このたび東北大学の研究グループの研究により異なる姿勢における呼気ガス分析を使用して簡便かつ非侵襲的に発見、判別ができることが示されました。
肺高血圧症は、そもそも通常それ単体では目立った症状が存在せず、実際病気の診断にはカテーテルが必要ということもあり、早期発見が望ましいにもかかわらずなかなか現実的ではない疾患です。判別となると超音波や胸部CT検査なども必要とされ、患者には大きな負担がかかっていました。進行すると心不全になり、息苦しさなどを訴えるようになります。
今回、肺動脈は座った姿勢から寝た姿勢へ変化することで肺への血流量が多くなるという性質があるものの、肺高血圧症患者では狭窄や閉塞によりそうした変化が減少あるいは起きないということが知られていました。こうしたことに注目して、座ったときに出した息と寝た姿勢で出した息の組成や性質を比較することで、簡単に肺高血圧症であるかどうかや、どちらのタイプであるかを明らかにすることができることが示されました。
これにより肺高血圧症の早期発見や早期からの適切な治療が圧倒的に進みやすくなることが期待され、その結果として予後が全体として改善する可能性があります。そのためにこうした知識が多くの医師の中で広まっていく必要がありますね。