見た目に見えない障がいの辛さ。野沢 あゆみさん|ミトコンドリア病
今回は、難病「ミトコンドリア病」(指定難病21)を持つ野沢あゆみさんにインタビューをさせていただきました。
これまでの経緯
- 2020年 目に違和感を感じる(てんかん発症三日前から違和感)黒い点々が出始めた
- ※土日が病院休みだったので月曜まで病院に行けなかった
- 2020年5月 てんかんの診断で入院
- 2020年5月 失語症になる(体調回復と同時に自分が言葉や文字の理解が出来なかったので違和感を持ったら、失語症と診断された)
- 2020年12月 ミトコンドリア病と診断
ミトコンドリア病について
ミトコンドリア病は、細胞でエネルギー生成の役割を担うミトコンドリアの働きが弱まることによって起こります。
ミトコンドリアは各臓器にあるため、どの臓器でどれだけの異常が起こるかによって、症状が異なり、様々です。
具体的には、筋力低下や痺れ、痙攣、白内障や難聴などの症状が出ます。
日本全国で指定難病として登録されており、患者数は1,400人程度ですが、実際にはその10倍以上の患者がいると言われています。(2024/10/16現在)
発症から診断まで
一番最初の症状は、コンタクトレンズを入れても目が見えにくい感じがしました。
本当にその程度の違和感から始まりました。
少しずついろいろな症状が出てきて、2020年5月に、「てんかん」の診断で入院。
退院後も6ヶ月間は様子を見た方がいいと言われ、様子を見ながら仕事は1年ほど休みました。
その後、仕事に復帰しましたが、そこでまた自分の身体に違和感を感じました。
自分の中でなにかわからないけど、気持ち悪い感じがするのがわかるんです。
すると、突然言葉が出なくなって、病院に行きました。
いろいろな検査をした結果、ミトコンドリア病と診断されました。
最初に「てんかん」と診断されて入院したときも、すでにミトコンドリア病を発症していたのだろうと、後から言われました。
診断された頃
最初の入院が、新型コロナウイルスの流行し始めた頃でした。
その影響で人と会うことが出来ないことが辛かったです。
家族とも会えなかったので。
さらに、失語症になってしまって、文字が読めなくなったんです。
家族や友人から、LINEのメッセージをたくさんもらったんですけど、全然読めませんでした。
コミュニケーションが取れないことが本当に辛かったですね。
あと、右手が動かしにくくなった時期がありました。
私は右利きなのですが、左手にフォークを持ってご飯を食べていました。
それまで当たり前に出来ていたことが出来なくなるのは辛いですね。
今も右手に痺れはありますが、ある程度は自分の思うように動くようになりました。
病気で困ること
ミトコンドリア病は、見た目では分かりにくい症状がたくさんあります。
私は少し耳が聴こえにくいのですが、いろいろな場所の受付などで、担当の方の話すスピードが早かったりして、聴こえないことがあります。
職場でも、話を聴き取りやすい人と聴き取りにくい人がいるんです。
方言や訛りがきつい人の話は、少し聴き取りにくいですね。
また、仕方のないことですが、相手にどれくらい聴こえているのか、なかなか自分の状況が伝わらないので、それも辛いですね。
難聴だけでなく、右手の痺れも、周りの人には分かりません。
失語症は、経験したことがある人にしか理解できないでしょう。
見た目ではわからない障害なので、その辺りの辛さはありますね。
私も、症状が出てきて1年くらいはマイナス思考になっていました。
でも、SNSで、違う病気ではあっても同じような境遇の人たちが、普通に楽しそうに活動されているのを見て、切り替えることが出来ました。
今後やりたいこと
出かけるのが好きで、北海道や沖縄によく行くのですが、まだ行ったことがない四国や九州にも行きたいです。
重いものを持ったり、重労働は苦手なので、福祉関係でできることは限られているのですが、人と関わる仕事をやってみたいというのが今後の目標です。
あと、自分が失語症になったときに、言葉が全然わからなくなりました。
そんな時にも手話であれば挨拶くらいできると思ったことがあるんですよね。
だから、手話にもチャレンジしたいですね。
前向きに頑張りたいと考えています!