【欧州】脆弱X症候群治療薬候補zatolmilastがオーファンドラッグに指定
塩野義製薬株式会社は4月11日、Tetra社と共同で開発中の脆弱X症候群(Fragile X Syndrome:FXS)治療薬候補zatolmilastについて、欧州委員会(European Commission)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けたと発表しました。
脆弱X症候群(FXS)は、発達遅延、知的障害を特徴とする遺伝性の疾患です。女性よりも男性に多くみられる疾患で、女性のほうが男性より障害の程度が低いと言われています。現在、脆弱X症候群(FXS)の治療は、対症療法が中心であり、新たな治療選択肢が求められています。
zatolmilastは、神経細胞内のシグナル伝達系を制御することで、認知機能を向上させることが示唆されています。認知機能向上により、語彙力や読解力の向上、記憶形成の強化につながる可能性があり、zatolmilastの第2相臨床試験の探索的な評価においては、脆弱X症候群(FXS)患者さんの言語および日常機能の改善効果が確認されています。
塩野義製薬はプレスリリースにて、「塩野義製薬は、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として『健やかで豊かな人生への貢献』を特定しています。引き続き、FXSを含むアンメットメディカルニーズの高い疾患に対する画期的な治療薬を患者さまにお届けできるよう努力し、世界中の皆さまの健康寿命の延伸とQOL(Quality of Life)の向上に貢献してまいります」と述べています。
なお、zatolmilastは、2018年に米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグの指定、2023年には希少小児疾患の指定を受けています。