IgA腎症に対する治療薬としてシベプレンリマブがFDAよりブレークスルーセラピー指定を取得
大塚製薬株式会社と米・ビステラ社は2月16日、シベプレンリマブ(開発コード:VIS649)がIgA腎症を対象に、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を取得したと発表しました。
IgA腎症は、慢性腎臓病の原因疾患である慢性糸球体腎炎のひとつで、腎臓の糸球体に免疫グロブリンのIgAという抗体が沈着して炎症が起ることにより、血尿や蛋白尿が現れる疾患です。世界的に最も一般的な原発性糸球体腎炎であり、成人における腎不全の最も一般的な原因です。IgA腎症患者さんの30%は、標準治療を行ったにもかかわらず、20~30年以内に腎不全にいたります。現在、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)遮断薬と適切な血圧コントロールによる治療が行われていますが、腎不全のリスクは依然として高いことが課題となっています。
シベプレンリマブは、IgA腎症の発症と進行に重要な役割を果たすと考えられている免疫細胞増殖因子であるサイトカインAPRIL(A PRoliferation Inducing Ligand)に特異的に結合しの作用を阻害するヒト化モノクローナル抗体です。
今回のブレークスルーセラピー指定は、大塚製薬株式会社とビステラ社が2023年11月に発表したIgA腎症を対象としたフェーズ2試験の良好な結果に基づいたものです。同研究の成果は、「The New England Journal of Medicine」に掲載されています。
なお、現在、大塚製薬株式会社とビステラ社は、IgA腎症患者さんのアンメットニーズを満たすべく、グローバルでシベプレンリマブのフェーズ3試験を実施しています。