線維化を伴う炎症性疾患に対する新規治療薬のライセンス契約を締結
独・ベーリンガーインゲルハイムと協和キリン株式会社は1月5日、線維化を伴う炎症性疾患に対する新規ファースト・イン・クラス治療薬の開発に向けたライセンス契約を締結したと発表しました。
線維化を伴う炎症性疾患は、持続的な感染、自己免疫反応、アレルギー反応や組織損傷などのさまざまな要因により引き起こされる慢性炎症に起因する疾患であり、全身性強皮症、炎症性腸疾患、肺線維症などが挙げられます。これらの疾患は、患者さんのQOL(生活の質)を低下させるだけではなく、合併症や死亡の大きな原因にもなっています。
ベーリンガーインゲルハイムは、線維化を伴う炎症性疾患の治療薬として、特発性肺線維症(IPF)などの肺線維症に対するオフェブを開発しました。また、ホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)阻害剤であるBI 1015550は、現在、特発性肺線維症をはじめとする進行性の線維化を伴う間質性肺疾患の患者さんを対象とした第3相臨床試験で評価中だそうです。
ベーリンガーインゲルハイムの創薬研究担当コーポレートシニアバイスプレジデント兼グローバルヘッド Clive R.Wood氏は「線維化を伴う炎症性疾患の患者さんには依然として大きなアンメットニーズがあります。今回、協和キリンとパートナー関係を築き、この新たな連携によって新規の革新的治療薬を当社のポートフォリオ品目として開発し、治療薬を患者さんにお届けする機会が得られたことを大変喜ばしく感じています」と述べています。
さらに、ベーリンガーインゲルハイムは今回の新たな開発プログラムについて「線維化を伴う炎症性疾患領域における専門性とリーダーシップを足がかりとして革新的な治療法を開発し、患者さんの転帰の改善を目標とする取り組みを進めており、今回の新たな開発プログラムは、同社の線維化を伴う炎症性疾患領域における取り組みの一環として進めるものです」と述べています。