【米国】ウパダシチニブ、中等症から重症の活動性全身性エリテマトーデスに対する第III相試験へ進展
米アッヴィ社は3月23日、中等症から重症の活動性全身性エリテマトーデス(SLE)患者さんを対象に、ウパダシチニブ30mgを単独またはブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬との併用療法として1日1回投与した第II相試験「SLEek試験」の主要結果を発表しました。
SLEek試験の結果、ウパダシチニブ30mgを投与した群において、24週時のSLE Responder Index(SRI-4)およびプレドニゾン換算で1日10mg以下のステロイド減量を達成しました。この結果に基づき、活動性全身性エリテマトーデスの患者さんを対象としたウパダシチニブの臨床開発プログラムを第III相試験に進めています。
アッヴィ社のsenior vice president, development, regulatory affairs兼chief medical officerであるRoopal Thakkar,M.D.はプレスリリースにて「全身性エリテマトーデスは非常に予測困難な生涯にわたる疾患であり、患者さんへの影響は時間とともに変化する可能性があります。そのため、さらなる治療選択肢が切実に求められていると言えます。リウマチ性疾患の治療に対する四半世紀にわたる経験と取り組みにより、私たちは全身性エリテマトーデスのようなアンメットニーズの高い領域に引き続き重点を置いています。また、ウパダシチニブが患者さんにもたらし得る、潜在的なベネフィットのさらなる評価を期待しています」と述べています。
第II相試験に登録している341人の患者さんは、治療計画によって5つの治療群に分けられ、主要評価項目はSRI-4およびプレドニゾン換算で1日10mg以下のステロイド減量の達成と設定しました。
また、今回の試験のウパダシチニブ30mg群の安全性プロファイルは、既知の安全性プロファイルと同様の傾向を示しました。また、ウパダシチニブとelsubrutinibの併用療法と、ウパダシチニブ単独療法で報告された有害事象の項目も同様でした。
同試験のすべての結果は、今後の医学学会で発表予定です。なお、ウパダシチニブおよびelsubrutinibのSLEの適応症は承認されておらず、その安全性および有効性は規制当局によって評価されていません。
【出典】
アッヴィ合同会社 プレスリリース