多発性硬化症治療剤コパキソン、武田薬品から武田テバへ資産譲渡
武田薬品工業株式会社と武田テバファーマ株式会社は1月27日、日本における多発性硬化症治療剤「コパキソン(R)皮下注20mgシリンジ(一般名:グラチラマー酢酸塩、以下「コパキソン」)」の武田薬品から武田テバへの資産譲渡と製造販売承認の承継に関する基本契約を締結したと発表しました。
今回の契約により、2023年4月に武田薬品から武田テバにコパキソンの資産譲渡がなされ、同月から武田テバがコパキソンとコパキソン皮下注20mgシリンジ用注入補助器オートジェクト2(販売:武田薬品)の医薬情報提供活動・安全性情報収集を担います。なお、コパキソンの製造販売承認は当面の間武田薬品が引き続き保有し、製造販売承認の承継時期については今後検討し決定していくとのことです。
多発性硬化症は、免疫細胞が中枢神経や視神経に炎症を起こすことにより、手足の痺れ、歩きにくい、視力が急に低下するなどの症状が現れ、再発と寛解を繰り返す疾患です。20~30代で発症することが多く、女性の患者さんが男性より約3倍多いといわれています。
コパキソンは、テバファーマスーティカル・インダストリーズ・リミテッドが開発した多発性硬化症の再発予防を効能・効果とする1日1回の皮下投与注射剤。武田薬品が2013年3月に日本における製品化に関するライセンス契約をテバ社と締結し、2014年12月に製造販売承認申請を行い、2015年9月に厚生労働省から製造販売承認を取得し、同年11月に発売しています。