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三次元培養技術を用いて肺動脈性肺高血圧症モデル作成に成功

岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科の狩野光伸教授を始めとした研究グループは2020年5月26日、肺動脈性肺高血圧症(PAH 指定難病86)の患者に由来する細胞から、疾患病理モデルの作成に成功したと発表しました。これまではPAHを試験管内で再現するモデルの確立が困難とされていましたが、本研究の結果よりさらなるPAHの新規治療薬の開発にもつながると期待されています。

PAHは、肺動脈が狭くなることで酸素を血液中に取り込みづらくなる疾患です。息切れや息苦しさが起こり、進行すると右心不全に至ります。肺動脈内の中膜が厚くなることで肺動脈内の血管が狭くなることが原因と考えられていますが、肺動脈中膜の肥厚を試験管内で再現することは困難でした。そのため、肺動脈中膜の肥厚を抑える薬剤の探索や開発が進んでいませんでした。

肺動脈中膜肥厚には平滑筋細胞が集まっていることが知られています。本研究では三次元培養の技術を用いることで、PAHの患者から頂いた細胞から肺動脈中膜を試験管内で再現することに成功しました。さらに肥厚を引きおこす原因と考えられている因子をこの三次元培養モデルに加えることで、試験管内でも肺動脈中膜肥厚を再現できました。今後、こうした病理モデルを活用することで、PAHの他にも、肺高血圧症や動脈硬化症などの動脈中膜肥厚がみられる疾患の病態解明や薬剤開発が進むと期待されています。

出典元
岡山大学プレスリリース

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