リボミック社、軟骨無形性症治療薬の治験開始へ
株式会社リボミックは2020年4月9日、RBM-007(抗FGF2アプタマー)について、軟骨無形性症(指定難病276)を対象疾患とした治験計画届書を、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(Pmda)に提出したことを発表しました。Pmdaより30日間特別な通達が無い場合には治験の開始が認められます。まずは実際の軟骨無形性症患者へ投与する前に、健康な成人男性を対象に薬の安全性や、体の中での薬の動きを確かめる予定です。RBM-007はこれまでに、アメリカにおいて滲出型加齢黄斑変性を対象として治験が進められています。
低身長や手足の短さを特徴とする難病
軟骨無形性症は、軟骨組織が正常に発育されないことにより低身長や短い四肢、短い指などが特徴的な疾患です2万5000人に1人の割合で生まれると推定されています。細胞の増殖や血管の新生に関わるとされる線維芽細胞増殖因子(FGF)を受容する、「FGFR3」と呼ばれる受容体の遺伝子に変異が起こることで引き起こされると考えられています。このFGFR遺伝子に変異がおこると、FGFが通常よりも多く反応してしまい、軟骨の正常な発育が妨げられてしまします。そのため、軟骨無形性症が発症すると考えられています。
一本鎖RNAの特徴を活用した医薬品
RBM-007(抗FGF2アプタマー)はリボミック社により開発が進められている医薬品の候補です。アプタマーとは、一本鎖タイプのRNAがその配列によって様々な形を取ることに着目し、標的とするタンパク質に結合しやすくタンパク質の働きを阻害または調節するよう設計された核酸分子です。この技術を応用して、医薬品として開発されたものがアプタマー医薬と呼ばれます。標的に結合しやすく、標的となるタンパク質の制限が少ない、科学的に人工的に作成しやすいという特徴があります。RBM-007はFGFのみに特異的に結合し、FGFの過剰な働きを阻害します。