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iPS細胞を用いて心疾患のメカニズム解明への一歩

京都府立医科大学をはじめとする研究グループは、ファロー四徴症などの先天性心疾患患者より作出したヒト人工多能性幹細胞(iPS 細胞)を用いて、これらのiPS細胞由来の心筋細胞では遺伝子発現に異常がみられることを発表しました。

先天性心疾患は出生時に認められる最も多い形態異常であり、疾患の原因や進行が患者により大きく異なっています。また、動物モデルによる疾患の再現が困難であることから詳細な病態の解明が待たれていました。これまでに、人間の心疾患の病態をより正確に再現するために、iPS細胞を用いた研究が試みられてきました。

今回の研究では、ファロー四徴症などの先天性心疾患患者よりiPS細胞を樹立しました。これらのiPS細胞から心筋細胞を作成し、先天性心疾患患者から作成されたiPS細胞では発生や細胞分化にかかわる遺伝子の発現パターンが健常者とは異なっていることが明らかになりました。

医学の進歩により成人を迎える先天性心疾患患者の数も少しずつ増えてきました。一方で、そうした心疾患をずっと抱えたまま生活している患者も少なくありません。今回の研究の結果のように、iPS細胞を活用した先天性心疾患の詳細な病態解明が進むことで、疾患の予防や治療法の開発に結び付くことが期待されています。

出典元
京都府立医科大学 プレスリリース

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