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遺伝性血管性浮腫(HAE)発作抑制薬ドニダロルセン、日本を含むアジア地域のライセンス契約を大塚製薬と米アイオニス社が締結

大塚製薬株式会社は6月18日、米Ionis Pharmaceuticals(アイオニス)社が遺伝性血管性浮腫の発作抑制薬として開発する「ドニダロルセン(INN:donidalorsen、開発コード:ISIS721744)」について、ライセンス契約の対象エリアを2023年12月に締結した欧州に加え、日本を含むアジア地域を追加する契約を締結したと発表しました。

遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビターの欠損または機能の低下により、顔(くちびる、まぶた、舌など)、腹部、手足などの目に見える場所だけでなく、消化管や喉頭など全身のさまざまな部分が繰り返し腫れることを特徴とする常染色体優性の遺伝性疾患です。消化管や喉頭に浮腫が生じると、腹痛や息苦しさを感じ、ひどいときには呼吸困難に陥って死に至る場合もあります。現在、日本には約500人の患者さんがいると言われています。

ドニダロルセンは、遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作において重要な役割を果たすといわれているカリクレイン経路を標的とする核酸医薬(アンチセンス阻害剤)です。カリクレイン経路の最上流に位置するプレカリクレインのメッセンジャーRNAを破壊しプレカリクレインタンパクの産生を抑制します。その結果、浮腫を促進する主要な物質であるブラジキニンの生成を抑制し、発作を予防すると考えられています。

欧米で実施された第3相試験では、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作を抑制する有効性と、長期的に良好な安全性および忍容性プロファイルを示しました。また、他剤では遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作が抑えきれなかった患者さんを対象にしたドニダロルセンへの切り替え試験を実施した結果、有意に発作が減少しました。

なお、現在、アイオニス社が米国食品医薬品局(FDA)への承認申請を、大塚製薬が欧州医薬品庁(EMA)へ承認申請を準備中です。ドニダロルセンは米国および欧州において希少疾病用医薬品に指定されています。

出典
大塚製薬株式会社 プレスリリース

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