「鼻腔のブラッシング献体」から副鼻腔炎のタイプ分類に成功、患者負担の少ない検査法へ
東京慈恵会医科大学と獨協医科大学の共同研究グループは2月12日、患者さんに負担の少ない「鼻腔ブラッシング検体」を用いて、遺伝子の働き(活動)をまとめて調べる解析を行い、好酸球性副鼻腔炎の患者さんを病気の特徴ごとにグループ分けが可能であることを発見したと発表しました。
好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)は、従来の治療では治りにくく、手術をしても再発しやすい病気として知られています。近年は高い効果を持つ生物学的製剤などの新しい治療薬が登場していますが、患者さんによって治療効果や予後にばらつきがあるため、事前にどの治療が適しているかを見極めるための病気の詳細な層別化(エンドタイピング)が求められていました。これまでは手術で切除した鼻茸(ポリープ)などの組織を使って遺伝子の解析を行っていましたが、今回の研究では、外来で鼻の粘膜を軽くこすって採取する「ブラッシング検体」に着目しました。
今回、研究グループは、患者さんから採取した手術組織とブラッシング検体の両方で遺伝子の働きを網羅的に解析。その結果、ブラッシング検体を用いた方が、手術後の再発のしやすさや、抗 IL-4Rα抗体であるデュピルマブによる治療を受けている症例などを、より正確にグループ分けできることが明らかになりました。特に、重症化に関わる炎症のタイプを識別するのに有用であるとの結果が得られています。
今回の研究により、手術を行わなくても、外来での負担が少ない検査で病気の重症度や再発リスクを評価できる可能性が示されました。研究グループは、将来的にこの検査方法が、患者さん一人ひとりに最適な治療薬を選ぶ「個別化医療」の実現に貢献することが期待されるとしています。
なお、同研究の成果は、「Allergy誌」に1月21日付で掲載されました。
