SOD1-筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬クアルソディ、長期投与で筋力回復の可能性が示される
米バイオジェン社は2025年12月22日、遺伝性の一種であるSOD1-筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬クアルソディ(一般名:トフェルセン)を評価する第III相VALOR試験および非盲検延長(OLE)試験の最終結果がThe Journal of the American Medical Association(JAMA)Neurologyに掲載されたと発表しました。
筋萎縮性側索硬化症(指定難病2、ALS)は、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々にやせて力がなくなっていく疾患です。複数の遺伝子が筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症に関わっています。SOD1遺伝子変異は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の推計罹患者数の約2%と言われており、米国での患者数は約330人と推計されています。
クアルソディは、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子に変異を有する成人の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬として承認されています。米国では、クアルソディを投与した患者さんで認められた血漿中ニューロフィラメント軽鎖(NfL)の減少に基づき、クアルソディが迅速承認を取得しました。なお、クアルソディは、現在、米国では迅速承認、その他の国では条件付きまたは通常承認を含め、世界44ヵ国で承認を取得しています。
今回、JAMA Neurologyに掲載された試験結果では、早期の治療開始が臨床機能や呼吸、筋力の低下を遅らせるとともに、死亡や永続的な呼吸器装着のリスクを低下させることが示されました。クアルソディの投与を受けた患者さんの一部において、通常の疾患経過では報告されていない、失われた機能や筋力の回復が3年以上にわたって認められました。また、病気の進行が速い患者さんでは、治療開始を6か月早めることで、無イベント生存期間が3.4年延長したことも報告されています。
主な有害事象には頭痛や転倒、処置に伴う痛みなどが挙げられていますが、安全性に関する所見はこれまでの報告と一貫しています。
バイオジェン社の神経筋疾患開発部門長Stephanie Fradette.氏はプレスリリースにて、「VALOR試験およびOLE試験の最終データは、適切な標的と適切な治療アプローチにより、ALSの疾患の経過に意義ある影響を与え、この深刻な疾患とともに生きる人々の予後を改善する可能性をさらに強調しています。これらデータに裏付けられて、治療によるニューロフィラメントの減少は、将来の研究を加速させるための早期意思決定を推進する評価項目として現在使用されています。長年にわたりクアルソディの開発に貢献してくださった治験参加者とその介護者の方々、治験責任医師、治験実施医療機関のスタッフの皆さまのご協力なくしては成しえなかったことであり、この進捗を共有できることをうれしく思います」と述べています。
