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脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬スピンラザ、高用量投与レジメンの販売を開始

バイオジェン・ジャパン株式会社は11月11日、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬であるヌシネルセン(製品名:スピンラザ)の高用量投与レジメンでの剤型追加(28m製剤、50mg製剤)について、11月12日の薬価収載と同時に販売すると発表しました。

脊髄性筋萎縮症(指定難病3、SMA)は、主に乳児期から小児期に発症し、筋力低下や筋萎縮を引き起こす進行性の神経筋疾患です。SMN1遺伝子の欠失や変異が主な原因であり、重症度によってI型からIV型に分類されます。近年治療法は進歩していますが、筋力の改善や呼吸・嚥下機能の改善など、いまだ満たされていない医療ニーズ(アンメットニーズ)が存在します。

スピンラザは、体内で生成される完全長Survival Motor Neuron(SMN)タンパクの量を継続的に増やすことで、運動ニューロン喪失の根本原因を標的にするアンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)です。運動ニューロンが存在する中枢神経系に直接投与されます。現在、世界71カ国以上で承認されており、全世界で14,000人以上が治療を受けています。

画像はリリースより

スピンラザの高用量投与レジメンは、既存のスピンラザ投与レジメンと比較して、より迅速な初期投与レジメンと、より高用量の維持投与レジメンで構成されています。この高用量投与レジメンの有効性と安全性は、国際共同第II/III相試験であるDEVOTE試験(232SM203)によって確認されました。同試験では、シャム対照群と比較して、CHOP INTENDスコアにおいて統計学的に有意な改善が認められています。副作用発現率は6.0%であり、主な副作用には貧血、好酸球増加症、発熱などが含まれますが、重篤な副作用や投与中止に至った例は確認されませんでした。

バイオジェンの傳幸諭社長はプレスリリースにて、「SMAに対する初めての治療薬を2017年に発売してから8年間、SMA患者さんには治療選択肢ができ、疾患を取り巻く治療環境は大きく変化しました。一方で、患者さんは自分のことを自分でできるようになるためにはさらなる運動機能をはじめ、呼吸機能や嚥下機能の改善を望んでおられることがわかっています。そのような患者さんに、スピンラザ高用量レジメンを世界に先駆けて提供させていただけることを嬉しく思います。SMA患者さんがやりたいことに挑戦され、進学や就労など、より積極的に社会に参加していかれることを願っています」と述べています。

出典
バイオジェン・ジャパン株式会社 プレスリリース

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