乾癬治療薬リサンキズマブ、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬等に対する小児の用法・用量追加を申請
アッヴィ合同会社は10月29日、リサンキズマブ(遺伝子組み換え)について、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症に対し、小児における用法・用量について追加承認申請したと発表しました。
乾癬は、皮膚に炎症が起きて赤くなり、新陳代謝の異常により盛り上がり、表面に銀白色の鱗屑(りんせつ)が現れる慢性の炎症性皮膚疾患です。国内には約43万人の患者さんがいると推定されており、小児の乾癬患者さんの割合は0歳から9歳が0.8%、10歳から19歳が1.8%と報告されています。乾癬の症状は人目に付く部分に現れやすく、患者さんは身体的負担に加え、症状による見た目の変化に対する周囲からのスティグマ(偏見や差別の意)によって、社会生活や学業などの生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、小児乾癬は、肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病、クローン病などのさまざまな合併症を伴うことが多いとされています。
リサンキズマブは、インターロイキン-23(IL-23)のp19サブユニットに結合し、IL-23を選択的に阻害する生物学的製剤です。同剤はこれまでに、日本において乾癬を含む7つの適応症に対する治療薬として承認されています。今回申請されたのは、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症という4つの乾癬の適応症に対する小児の用法・用量です。
近年、成人の乾癬患者さんに対する治療選択肢は増えていますが、小児の乾癬患者さんを対象とした治療ガイドラインは存在しておらず、治療選択肢は限定的なのが現状です。小児期に発症した乾癬は、成人期まで長期にわたる治療が必要となるため、新たな治療選択肢に対するアンメットニーズがあると考えられています。
今回の申請は、中等症から重症の小児尋常性乾癬患者さんを対象とした国際共同第3相試験の結果に基づいたものです。
