巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)とアルポート症候群(AS)の治療薬sparsentan、国内第III相臨床試験開発計画に関してPMDAと合意
レナリスファーマ株式会社は10月17日、sparsentan(開発コード:RE-021)について、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の患者さんを対象とした第III相臨床試験、およびアルポート症候群(AS)の患者さんを対象とした第III相臨床試験の開発計画に関して、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と合意したと発表しました。
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は、腎不全の重要な原因のひとつとして知られ、糸球体の一部が硬化することで腎臓の濾過機能が障害され、末期腎不全へと進行する患者さんが少なくありません。アルポート症候群(AS)は、小児期から腎症状を呈し、進行性に腎機能が低下する遺伝性の腎疾患であり、難聴や眼症状を合併することもあります。男性の重症例では若年で末期腎不全に進行する可能性があります。両疾患とも、正確なメカニズムが未解明な部分や根本的な治療法が確立されていないことから、日本において大きなアンメットニーズが存在しています。
sparsentanは、米Travere社によって開発された経口投与可能な薬剤です。腎疾患の進行に深く関わるエンドセリン受容体とアンジオテンシンⅡII受容体の双方に対して拮抗作用を有する二重拮抗薬という特徴を持っています。レナリスファーマは2023年にTravere社から、同剤の日本およびアジア地域における独占的な開発・商業化に関するライセンスを取得しています。同剤は、2024年にFDAから「病勢進行のリスクがある原発性IgA腎症の成人患者における腎機能低下の抑制」を効能・効果として完全承認を取得しています。また、欧州においても2025年にIgA腎症の適応症にてEU標準承認を取得しています。さらに、米国では2025年に巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を効能・効果とする追加新薬承認申請(sNDA)がFDAに受理されています。
今回合意された2つの臨床試験は、少数の患者さんを対象にした非盲検非対照の多施設共同臨床試験として実施されることが計画されています。
レナリスファーマはプレスリリースにて、「レナリスファーマは、腎関連疾患における革新的な治療薬の開発を通じて日本及びアジアの患者さんにより良い治療をお届けすべく、事業を推進して参ります」と述べています。
