デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療剤ブロギジルセン、投与3.5年までの有効性・安全性データを発表
日本新薬株式会社は10月14日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療剤「ブロギジルセン(開発番号:NS-089/NCNP-02)」について、投与開始から3.5年までの有効性および安全性のデータが、学会で発表されたと公表しました。
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、ジストロフィン遺伝子変異によりジストロフィンタンパク質を作ることができなくなり、筋力低下が現れる疾患です。幼児期に運動機能の低下やふくらはぎの肥大化など初期症状が現れ、主に男児に発症します。
ブロギジルセンは、日本新薬と国立精神・神経医療研究センター(NCNP)との共同研究により見出された核酸医薬品であり、ジストロフィン遺伝子のエクソン44スキップによって治療可能なDMD患者に対する治療薬として期待されています。
今回の発表は、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)が実施した医師主導治験と、日本新薬が実施した継続投与試験に基づいたものです。この試験では、6例のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者さんに対し、同剤を週1回静脈内投与し、投与開始から3.5年までの有効性および安全性が評価されました。
有効性評価の結果として、同剤を投与した被験者の生検筋では、投与25/26週時および99/100週時において、エクソン44スキッピング効率およびジストロフィンの発現量が高い傾向を示しました。さらに、歩行可能な状態を維持していた被験者においては、ノース・スター歩行能力評価などの運動機能評価においても、運動機能が維持されている傾向が認められています。
安全性評価では、同剤の投与によって重篤な有害事象やアナフィラキシーは認められませんでした。また、投与を中止した被験者も確認されていません。
継続投与試験は現在も続けられており、より長期にわたる有効性および安全性について引き続きデータが収集されていく予定です。また、現在、同剤のグローバル第II相試験が、日本新薬と同社米子会社のNS Pharma社によって実施中です。
なお、今回のデータは、2025年10月7日から11日にオーストリアで開催された第30回世界筋学会(The 30th annual International Congress of the World Muscle Society)にて、ポスター発表されました。
