膿疱性乾癬(GPP)治療薬スペビゴの販売・開発促進を目的とした全世界での独占的なライセンスおよび譲渡に関する契約をレオファーマと締結
独ベーリンガーインゲルハイム社は7月14日、膿疱性乾癬(GPP)の治療薬「スペビゴ(一般名:スペソリマブ(遺伝子組換え)、以下スペビゴ)」の販売および開発促進を目的とした全世界での独占的なライセンスおよび譲渡に関する契約(exclusive global license and transfer agreement)をデンマーク・レオ ファーマ社と締結したと発表しました。
膿疱性乾癬(指定難病37、GPP)は、皮膚および全身症状を伴う慢性で予測不能な好中球性炎症性皮膚疾患で、尋常性乾癬とは遺伝的、臨床的に区別されます。疾患の経過は人によって異なります。しばしば発熱や倦怠感、疲労、臓器不全のリスクが伴ったり、断続的な再燃を伴う持続性疾患に悩まされたりします。また、膿疱性乾癬(GPP)は多臓器不全や緊急の入院治療が必要な敗血症などの重篤な合併症を引き起こすこともあり、患者さんの生活の質(QOL)に大きな影響を与えています。症状は予測不能で断続的に現れるため、患者さんにとって恐怖や不安の原因となり、仕事や学校、精神的な健康、社会活動、そして金銭的な面でも長期的な影響を及ぼすことがあります。
スペビゴは、膿疱性乾癬(GPP)を含む複数の自己炎症性疾患の病気の原因に関わることが明らかになっている免疫系のシグナル伝達経路であるインターロイキン36(IL-36)受容体の活性化を阻害する、新しいヒト化選択的抗体です。同剤はIL-36経路を標的とした膿疱性乾癬(GPP)の急性症状に対応する初めての治療薬であり、米国、日本、中国、欧州連合(EU)を含む40カ国以上で、成人の膿疱性乾癬(GPP)急性症状の治療薬として承認されています。また、IL-36が関わる他の皮膚疾患の治療薬としても開発が進められています。
今回の提携により、レオ ファーマは皮膚科領域の専門的知見とグローバルな販売網を活かし、膿疱性乾癬(GPP)の疾患啓発や患者さんの治療法へのアクセスを確保しながら、スペビゴの販売とさらなる開発を進めるといいます。これにより、レオ ファーマの既存の皮膚科領域における戦略的ポートフォリオが補完され、患者さんへの革新的な治療法提供へのコミットメントが強化されるとしています。
ベーリンガーインゲルハイムの取締役会会長兼医療用医薬品事業ユニットヘッドであるシャシャンク・デシュパンデ氏はプレスリリースにて、「スペビゴがGPPとともに生きる人々に貢献していることを大変誇りに思います。そして患者さんにイノベーションをもたらすことで、患者さんの生活を変革するという当社のパーパスを力強く体現していると言えます。スペビゴには果たすべき大きな役目があり、その可能性の最大化のためには継続的な注力と皮膚科領域における専門的知見が欠かせません。60年以上にわたり皮膚科領域へ専門的な貢献をしてきたレオ ファーマは、私たちが培ってきた堅実な土台を引き継ぐこれ以上ない素晴らしい承継先です。私たちとともにこの軌跡を歩んでくださった患者さんや介護者、医療従事者の皆様にこれからも心より感謝の意を表し続けます」と述べています。
レオ ファーマの最高経営責任者であるクリストフ・ブルドン氏は、「皮膚疾患は人々の生活に非常に大きな影響をもたらしますが、レオ ファーマはそこに変革を起こすために存在しています。スペビゴをさらに多くの患者さんに届けるための提携は単なる戦略的ステップにとどまりません。GPPとともに生きる人々が苦痛を伴う急性症状を迅速に治療することで生活の質を向上し、治療法が限定的な状況に真の希望をもたらすでしょう。ベーリンガーインゲルハイムの先駆者としてのこれまでの尽力に感銘を受けた私たちは、それを引き継げることをとても楽しみにしています。両社が共に、革新的な治療へのアクセスを拡大し、これまで十分顧みられなかった患者さんに有意義な前進をもたらす素晴らしい機会に恵まれたと考えています」と述べています。