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慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)治療薬候補riliprubartが希少疾病用医薬品指定を取得

仏サノフィ社は6月30日、開発中のモノクローナル抗体製剤riliprubartが、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の治療薬として、日本の厚生労働省から希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定を受けたと発表しました。

慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(指定難病14、CIDP)は、免疫系が末梢神経を攻撃し、四肢の脱力や感覚障害が進行する疾患です。日本では約4,000名の患者さんが診断されており、既存治療では十分な効果が得られない、副作用がある、治療負担が大きいなど、大きなアンメットニーズが存在します。標準治療で効果が得られない患者さんは約3割、十分な改善が見られない患者は約7割に上ると報告されています。

riliprubartは、自然免疫系の古典的補体経路における活性化C1sを選択的に阻害する薬剤で、現在、標準治療で効果が得られない患者さんを対象としたMOBILIZE試験と、免疫グロブリン静注療法(IVIg)を受けている患者さんを対象としたVITALIZE試験の2件の第III相臨床試験が進行中です。第II相試験では長期有効性および安全性データが得られ、riliprubartの有用性が期待されます。なお、riliprubartの安全性と有効性は、いずれの規制当局でも評価されていません。

サノフィ社神経開発領域グローバルヘッドのエリック・ウォルストローム氏はプレスリリースにて、「私たちは、免疫系に関する深い知見を活かし、アンメットニーズが大きい希少神経疾患に取り組んでいます。今回、日本でCIDPに対するオーファンドラッグの指定を受けたことは、こうした取り組みの成果の一つです。CIDPに対する治療は行われているものの、多くの患者さんは今なお痛み、疲労、筋力低下などの重度な症状に苦しんでいます。現在進めているriliprubartの開発は、神経疾患の治療に新たな可能性をもたらし、患者さんの生活の質を高めることを目指しています」と述べています。

出典
サノフィ社 プレスリリース

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