【米国】2歳以上の原発性免疫不全症(PID)患者さんに対する補充療法としてGAMMAGARD LIQUID ERCがFDAより承認を取得
武田薬品工業株式会社は7月1日、2歳以上の原発性免疫不全症(PID)患者さんに対する補充療法として、免疫グロブリンA(IgA)含有量の少ない、溶解操作不要な液状人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD LIQUID ERC」が米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたと発表しました。
原発性免疫不全症(指定難病65、PID)は、生まれつき免疫系の一部が欠損または機能不全に陥る疾患の総称です。遺伝子変異で生じ、頻繁な感染症や自己免疫異常といった症状が現れます。米国では約1,200人に1人が罹患していると言われています。
GAMMAGARD LIQUID ERCは、IgAの含有量が2μg/mL以下の10%製剤で、溶解操作が不要なため、静脈注射または皮下注射が可能です。これにより、患者さんや医療従事者の投与負担軽減に貢献することが期待されます。米国での発売は2026年、欧州連合では承認が得られれば2027年に「DEQSIGA」として発売が予定されています。
武田薬品のプラズマ デライブド セラピーズ ビジネス ユニットのシニア・ヴァイス・プレジデントであり、研究開発部門ヘッドであるKristina Allikmets氏はプレスリリースにて、「GAMMAGARD LIQUID ERCは、既存の溶解操作不要な液状人免疫グロブリン製剤のなかで最もIgA含有量が少なく、静脈注射または皮下注射が可能な治療選択肢です。このたびの承認は、PID患者さんに対する個別化医療の取り組みを支援するタケダの取り組みを強化するものです」と述べています。