12歳未満の先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)患者さんへ、アジンマの適応拡大に向けた承認を申請
武田薬品工業株式会社は3月27日、「アジンマ静注用1500(一般名:アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え))」について、12歳未満の小児患者への適応拡大を目的とした製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行ったと発表しました。
アジンマは、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する世界初の遺伝子組換えADAMTS13製剤です。日本国内では、12歳以上の先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)患者さんに対する定期補充療法と急性増悪時の補充療法として承認されています。米国FDAと欧州EMAでは、成人および小児の先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)患者さんに対する定期補充療法と一時補充療法が承認されています。また、米国FDAからは、後天性、特発性、続発性急性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の治療と予防において希少疾病用医薬品の指定を受けており、欧州EMAと厚生労働省からも急性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)に対し同様の指定を受けています。
今回の申請は、主に0歳から70歳までの先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)患者さん(日本人5名を含む)を対象とした国際第3相臨床試験(281102試験)と、国際第3b相継続臨床試験(TAK-755-3002試験)の安全性および有効性のデータに基づいたものです。
今回の申請が承認されれば、12歳未満の先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)患者さんにもアジンマを提供することが可能になります。
先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)は、ADAMTS13酵素の遺伝的欠損により発症する疾患です。ADAMTS13は、血液凝固に関わるタンパク質であり、その欠損は血小板の異常凝集を引き起こし、全身の細小血管に血栓を形成させます。これにより、血小板減少症、溶血性貧血、臓器虚血などの症状が現れ、重症化すると死亡に至ることもあります。