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潰瘍性大腸炎とクローン病の治療薬として開発中のduvakitug、の第II相RELIEVE UCCD試験の詳細なデータを発表

仏サノフィ社とテバファーマスーティカル・インダストリーズ社の米国子会社であるTeva Pharmaceuticalsは2月22日、TL1Aを標的とするヒトIgG1-λ2モノクローナル抗体製剤であるduvakitugの第II相RELIEVE UCCD試験の詳細なデータを新たに発表しました。

潰瘍性大腸炎(指定難病97、UC)とクローン病(指定難病96、CD)は、消化管の炎症により慢性的に腹痛や下痢などを引き起こす、炎症性腸疾患(IBD)の代表的な疾患です。現在、炎症性腸疾患の治癒につながる治療法はなく、治療は寛解導入及び維持と再燃の予防を目標としています。

Duvakitugは、腫瘍壊死因子(TNF)様リガンド1A(TL1A、別名TNFスーパーファミリーメンバー15(TNFSF15))を標的とするモノクローナル抗体製剤です。TL1Aがその受容体である細胞死受容体(DR3)に結合して伝達するシグナルは、IBDに関連する炎症を増強し、線維化を促進すると考えられています。現時点ではduvakitugの安全性および有効性は検討・評価されていません。

第II相RELIEVE UCCD試験は、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)の中等症~重症の患者さんを対象とした試験です。

同試験の潰瘍性大腸炎(UC)患者コホートでは、14週時点に主要評価項目である臨床的寛解解[modified(mMS)]を達成した患者さんの割合は、duvakitug450mg群で36%、900mg群で48%。プラセボ群で20%、プラセボ調整後の達成率は、450mg群で16%、900mg群で27%でした。また、Advanced therapy(AT)の実施状況の有無で層別解析を実施したところ、いずれのサブグループともduvakitug投与例でプラセボ投与例より高い臨床的寛解率が認められました。

クローン病(CD)患者コホートでは、14週時に主要評価項目である内視鏡的改善(SES-CD)を達成した患者さんの割合は、450mg群で26%、900mg群で48%。プラセボ群で13%、プラセボ調整後の達成率は、450mg群で13%、900mg群で35%でした。また、ATの実施状況の有無で層別解析を行った結果、いずれのサブグループともduvakitug投与例でプラセボ投与例に比べ高い内視鏡的改善率が認められました。

潰瘍性大腸炎(UC)患者コホート、クローン病(CD)患者コホート共に、duvakitugの忍容性は概ね良好で、安全性に関する新たなシグナルは認められませんでした。治験薬と関連のある有害事象、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象や、注目すべき有害事象についても、発現率や有害事象のパターンに用量との関連は認められませんでした。

なお、試験結果は、ドイツ・ベルリンで開催された第20回欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO 2025)において2題の口演で発表されました。

出典
サノフィ株式会社 プレスリリース

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