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COPA異常症の発症抑制する遺伝子のバリアント「HAQ型」を発見

東北大学は2月28日、難治性炎症性疾患であるCOPA異常症を発症しない人たちに共通する要因としてSTING遺伝子のHAQ型という特定のバリアントを発見しけたと発表しました。さらに、HAQ型STINGがCOPA変異による免疫応答の異常な活性化を抑えることを明らかにしました。

COPA異常症は、関節炎や間質性肺炎を引き起こす遺伝性自己炎症性疾患です。COPA遺伝子の変異による自然免疫シグナル(STING経路)の異常な活性化により発症しますが、COPA遺伝子の変異を持っていてもこの病気を発症しない人が20%ほど存在します。

今回、研究グループは、COPA異常症の患者さん26人と発症していない保因者9人、合計35人について遺伝子解析を行った結果、発症していない全員が「HAQ型STING」を持っていることがわかりました。

画像はリリースより

さらに、HAQ型STINGがCOPA変異による免疫応答の異常な活性化を抑えることを明らかにしました。また、非血縁関係の家系を含む解析から、発症していない人に共通する唯一の遺伝子がHAQ型STINGであることを確認しました。

画像はリリースより

STING経路はCOPA異常症だけでなく、様々な自己炎症性疾患や神経変性疾患にも関わることが報告されています。

今後、STINGバリアントが自己炎症性疾患や神経変性疾患に与える影響を詳しく解析することで、より効果的な治療戦略を提供できる可能性が期待されるといいます。

なお、同研究の成果は、「Journal of Experimental Medicine」に2月27日付で掲載されました。

出典
東北大学 プレスリリース

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