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千葉大学、世界で初めて遺伝性早老症ウェルナー症候群の診療ガイドラインを発表

千葉大学大学院を中心とする研究グループは遺伝性早老症ウェルナー症候群の診療ガイドラインを世界で初めて発表しました。これらの一連の研究結果は2020年10月から12月にGeriatrics & Gerontology Internationalに掲載されました。

ウェルナー症候群は20歳代から白髪や脱毛、筋肉の痩せなど実年齢よりも老けて見えることから早老症のひとつと言われています。世界的に見ても日本人が患者全体の約6割を占めると推定されており、日本に特に多い疾患です。原因遺伝子までは特定されておりますが、早老が起こるメカニズムは未解明であり根本的な治療法もありません。近年の医療の発展により徐々に患者の寿命は延びていますが、悪性腫瘍や糖尿病、脂質異常症などを合併することが多く、難治性の皮膚潰瘍を起こしやすいことから生活の質(QOL)を著しく低下させます。患者数の少ない超希少疾患であることから診断まで至っていない例も多いと考えられています。

日本語での診療ガイドラインは2012年に発表されました。今回はそこに1996年から2020年までの最新の治療情報などを加え、世界で初めての英文での発表に至りました。本研究プロジェクトは平成21年~平成25年度の厚生労働科研費補助金より始まりました。平成22年には患者家族の会が設立され、平成27年には国の指定難病に指定されました。本疾患の更なる研究の進歩は、ヒトの「老化」や「加齢に伴う疾患」の解明にも繋がると期待されています。

出典元
千葉大学 ニュースリリース

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