筋萎縮性側索硬化症用剤メコバラミン、製造販売承認を取得
エーザイ株式会社は9月24日、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン筋注用25㎎」(一般名:メコバラミン)について、日本において「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制」の効能・効果で、製造販売承認を取得したと発表しました。
筋萎縮性側索硬化症(指定難病2、ALS)は、手足・のど・舌などの筋肉が徐々に痩せて力がなくなっていく疾患です。呼吸筋の麻痺による呼吸不全が主たる死亡原因で、人工呼吸器を装着しなければ発症後約2~5年以内に死に至る可能性があります。現在、確立された根治療法はなく、国内外で承認されている治療薬も限られており、アンメット・メディカル・ニーズが極めて高い難病です。
メコバラミンは、2022年5月に希少疾病用医薬品に指定。2024年1月に承認申請を行い、今回の承認取得に至りました。メコバラミンの筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態に対する作用機序については解明されていませんが、非臨床研究の結果から、神経保護作用、神経軸索再生作用により有効性を示す可能性が示唆されている筋萎縮性側索硬化症用剤です。
今回の承認は、徳島大学の梶龍兒特任教授、徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床神経科学分野の和泉唯信教授、および千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学の桑原聡教授らの研究チームが医師主導治験として実施した、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さん130人を対象とした多施設共同、プラセボ対照、二重盲検、無作為化臨床第Ⅲ相試験(The Japan Early-Stage Trial of Ultrahigh-Dose Methylcobalamin for ALS: 以下、JETALS)の結果に基づいたものです。
JETALSの結果、メコバラミン50mg群は、主要評価項目である観察期終了時から治療期16週時の改訂ALS機能評価尺度(ALSFRS-R)合計点数の変化量において、プラセボ群に対して統計学的に有意な低下抑制を示しました。副作用の発現頻度はプラセボ群で1.6%、メコバラミン50mg群で7.7%でした。メコバラミン50mg群で認められた副作用は、便秘、注射部位疼痛、発熱、心電図QT延長及び発疹が各1.5%でした。