先天性プロテインC欠乏症治療薬セプーロチンが発売
武田薬品株式会社は9月6日、「セプーロチン静注用1000単位(乾燥濃縮人プロテインC、以下「セプーロチン」)」について、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療及び血栓形成傾向の抑制を効能又は効果として発売したと発表しました。
先天性プロテインC欠乏症は、先天的に肝臓で産生されて血液凝固を抑制する働きがあるプロテインCが欠乏していることにより、血液凝固亢進状態となり、ときに致死的な血栓症を発症する疾患です。
セプーロチンは、ヒト血漿を分画して精製し、ウイルスの除去および不活化処理を施した静脈内注射用の乾燥濃縮人プロテインC製剤です。有効成分であるプロテインCは、内因性プロテインCと同様に、血管内皮細胞表面のトロンビン/トロンボモジュリン複合体によって活性化プロテインCに変換されることで抗凝固作用を発揮するため、先天性プロテインC欠乏症患者さんの静脈血栓塞栓症および電撃性紫斑病の治療、並びに血栓形成傾向の抑制に有用と考えられます。
同剤は、主に日本人の4~27歳の先天性プロテインC欠乏症患者さん5例を対象とした国内臨床第1/2相試験(NCT04984889)および非日本人の先天性プロテインC欠乏症患者さんを対象とした2つの海外臨床第2/3相試験(IMAG-098試験、400101試験)から得られた有効性および安全性のエビデンスに基づいて2023年4月28日に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2024年3月26日に製造販売承認を取得しました。
武田薬品のジャパン ファーマ ビジネス ユニット希少疾患事業部長である百合田剛史氏はプレスリリースにて、「先天性プロテインC欠乏症は重篤な場合、長期的な後遺症が残ったり、最悪の場合、死に至ることもある疾患です。世界46カ国で承認されているセプーロチンを日本における新たな治療選択肢として提供し、もし自分の子どもが先天性プロテインC欠乏症だったらという気持ちを従業員一同が持ちながら、患者さんやご家族の皆さんに少しでも貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。