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大塚製薬が米ジュナナ社を完全子会社化、フェニルケトン尿症(PKU)治療薬として期待されるJNT-517を開発

大塚製薬株式会社は8月1日、大塚製薬が米Jnana Therapeutics Inc.(ジュナナ社)に対して、大塚アメリカInc.(以下OAI社)を通じて、ジュナナ社を完全子会社化することについて合意し、契約を締結したと発表しました。

ジュナナ社独自のRAPID(Reactive Affinity Probe Interaction Discovery)プラットフォームは、次世代のケモプロテオミクス技術を用いて、創薬に困難が伴うターゲットに対する医薬品を発見するために設計されました。

同社の創薬技術は、特定の疾患領域に限定されるものではありませんが、低分子創薬が困難だった自己免疫疾患領域や一部の希少疾患に集中しています。

この創薬技術に同社は、創薬が難しいターゲットである腎臓におけるアミノ酸の再吸収を制御するタンパク質に対する低分子阻害剤「JNT-517」の開発に成功しました。同剤JNT-517は、フェニルケトン尿症(PKU)に対する治療手段として、フェーズ1b/2試験で有効性および忍容性と安全性が確認されています。

大塚製薬はプレスリリースにて、「ジンアーク(常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD)、シベプレンリマブ(IgA腎症)、ボクロスポリン(ループス腎炎)などの腎領域だけでなく、ドニダロルセン(遺伝性血管性浮腫)などの新たなスペシャルティ治療薬を加えることで、幅広い希少疾患の患者さんへの貢献を進めてきました。また2018年に買収した米国ボストンのビステラ社を通じて、抗体医薬技術を用いた自己免疫領域の研究開発を進めるとともに、創薬プラットフォームの拡充を進めています」としています。

なお、今回の買収によりジュナナ社は大塚製薬の完全子会社としてマサチューセッツ州ボストンにおいて事業を継続し、同社の研究開発も継続して実施する予定。買収は、今後、必要な手続き等を経て、2024年度第3四半期中に完了するそうです。

出典
大塚製薬株式会社 プレスリリース

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