アラジール症候群(ALGS)・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)治療薬マラリキシバット、製造販売承認を申請
武田薬品工業株式会社は6月27日、希少肝疾患に対する治療薬である回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬マラリキシバット塩化物(開発コード:TAK-625、以下、マラリキシバット)について、アラジール症候群(ALGS)・ 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)の治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表しました。
アラジール症候群(指定難病297)は、慢性胆汁うっ滞により、最終的には進行性の肝機能障害を引き起こす稀な遺伝性疾患です。日本の患者数は、200~300人程度と言われています。
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(指定難病338)は、肝細胞の胆汁を分泌する能力が低下し、肝細胞内に胆汁の蓄積が起こることにより、進行性の肝疾患に至る稀な遺伝性疾患です。乳児期から症状が現れることが多く、重度のそう痒(かゆみ)、黄疸(皮膚の黄ばみ)、成長障害、および肝機能低下などが認められます。
今回の製造販売承認申請は、アラジール症候群(ALGS)と進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)を対象として国内で行われた第3相臨床試験(TAK-625-3001、TAK-625-3002)、ならびに海外で行われた複数の臨床試験の結果に基づいたものです。
なお、同剤は、欧州を含む複数の国や地域で承認を取得。また、米国では、5歳以上の進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)患者さんにおける胆汁うっ滞性のそう痒症を適応として、2024年3月に承認を取得しました。欧州では、承認申請中であり、生後3カ月以上の進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)患者さんに対する適応取得に対して、欧州医薬評価委員会(CHMP)より肯定的な見解が得られています。欧州委員会の決定は、2024年第3四半期までに下される予定です。