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全身性エリテマトーデス(SLE)の皮下注製剤ベンリスタ、小児の用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得

グラクソ・スミスクライン株式会社は6月24日、「ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター(一般名:ベリムマブ(遺伝子組換え)、以下ベンリスタ)」について、既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス(SLE)における5歳以上の小児の用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表しました。

全身性エリテマトーデス(指定難病49)は、関節の痛みと腫脹、極度の疲労、原因不明の発熱、皮膚発疹、および臓器障害などのさまざまな症状が現れる慢性の難病自己免疫疾患です。15~40歳の女性の患者さんが多く、その約10~20%が20歳までに発症します。日本に約6~10万人ほどの患者さんがいると考えられています。

ベンリスタは、可溶性BLySに高親和性に結合し、その生物活性を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体。標準治療を受けており、疾患活動性を有する自己抗体陽性の全身性エリテマトーデス(SLE)の成人患者さんの治療薬です。

今回の承認は、日本も含む小児を対象とした国際共同治験の結果に基づくもので、米国に続く世界で2番目の承認となります。

ベンリスタの対象となる小児患者さんの多くは、ステロイドおよび標準的な免疫抑制剤にて十分な効果が得られず、代替治療の選択肢が限られていると言われています。既にベンリスタ点滴静注用製剤は5歳以上の小児全身性エリテマトーデス(SLE)患者さんに対する用法・用量が承認されていますが、小児患者さんにおいて治療コンプライアンスを改善できる剤形として、皮下注製剤に対するニーズがありました。

今回の承認により、皮下注射が可能になることで、点滴静注のための処置室での時間短縮が可能となり、静脈内投与が困難な患者さんに対しても新たな治療選択肢を提供することができます。

GSK代表取締役社長のポール・リレット氏はプレスリリースにて、「日本において、ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクターの小児の用法・用量追加の承認をお知らせできることを嬉しく思います。小児SLEでは、一般に成人SLEと比べてより病気の進行が早く、重篤な経過をたどる傾向があります1。本承認がSLEとともに生きる小児患者さんとその保護者の皆さまの負担軽減につながることを願っています」と述べています。

なお、ベンリスタは、日本において「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果として、2017年9月に点滴静注用製剤および皮下注製剤の製造販売承認を取得し、その後、小児全身性エリテマトーデス(SLE)に対しては、点滴静注用製剤で5歳以上の小児の用量追加に係る製造販売承認を2019年9月に取得しています。

出典
グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース

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