免疫性血小板減少症(ITP)成人患者さんに対するrilzabrutinib、持続的な血小板反応が得られることを第III相試験で示す
仏サノフィ社は4月30日、第III相LUNA3試験で得られた肯定的な結果より、rilzabrutinibの1回400mg1日2回経口投与を受けた持続性または慢性の免疫性血小板減少症(ITP)の成人患者において、主要評価項目である持続的な血小板反応が得られることが示されたと発表しました。
免疫性血小板減少症(ITP)は、血小板減少を来たす他の病気がない状況で、血小板が減少することにより発症する疾患です。出血を止める役割をする血小板が減少することで、出血しやすくなります。
可逆的共有結合型経口BTK阻害剤であるrilzabrutinibは、サノフィ社のTAILORED COVALENCY技術を用い、標的であるBTKを選択的に阻害する性質を備えています。
現在、rilzabrutinibは各種の免疫介在性疾患を対象とした臨床試験で評価されており、免疫性血小板減少症(2024年下半期に申請予定)、喘息(第II相)、特発性の慢性蕁麻疹(2024年に第III相試験を開始)、結節性痒疹(2024年に第III相試験を開始)、IgG4関連疾患(2024年下半期に第IIb相試験の結果発表を予定)、温式自己免疫性溶血性貧血(2024年下半期に第IIb相試験の結果発表を予定)などの試験を実施しています。
今回実施されたLUNA3試験において、主要評価項目を達成し、主要評価項目である持続的な血小板反応が得られた患者さんの割合は、rilzabrutinib群がプラセボ群を有意に上回りました。前治療では効果が得られなかった一次性の免疫性血小板減少症(ITP)患者さんのサブグループでも同じ結果が認められました。
被験者全体では、前治療数の中央値は4、ベースライン時点の血小板数の中央値は15,000/µLでした(血小板数の正常範囲は150,000~450,000/µL)。主な副次評価項目についても肯定的な結果が得られ、持続性または慢性の免疫性血小板減少症(ITP)の患者さんに対し臨床的意義のある治療ベネフィットをもたらす可能性が示されました。
なお、rilzabrutinibは、2020年11月に免疫性血小板減少症(ITP)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック審査の対象に指定されており、以前は希少疾病用医薬品に指定されています。