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先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制に対するセプーロチンが製造販売承認を取得

武田薬品工業株式会社は3月26日、「セプーロチン静注用1000単位」(乾燥濃縮人プロテインC、以下セプーロチン)について、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制を効能又は効果として厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表しました。

先天性プロテインC欠乏症は、肝臓で産生されて血液凝固を抑制する働きがあるプロテインCが先天的に欠乏している疾患です。プロテインCが欠乏することにより、血液凝固が亢進状態となり、ときに致死的な血栓症を引き起こします。新生児から乳幼児では、脳梗塞、脳静脈洞血栓症などの重篤な頭蓋内病変がしばしば生じます。さらには、電撃性紫斑病や硝子体出血などの重篤な症状が急速に発症し、重篤な後遺症が残る場合もあります。

セプーロチンは、ヒト血漿を分画して精製し、ウイルスの除去および不活化処理を施した静脈内注射用の乾燥濃縮人プロテインC製剤です。プロテインCは、内因性プロテインCと同様に血管内皮細胞表面のトロンビン/トロンボモジュリン複合体によって活性化プロテインCに変換されることで抗凝固作用を発揮します。セプーロチンは、欧州では2001年7月、米国では2007年3月に、重度先天性プロテインC欠乏症の治療薬として製造販売承認を取得しており、2023年10月時点で、世界40カ国以上で販売されています。

今回の製造販売承認は、主に日本人の4~27歳の先天性プロテインC欠乏症患者さん5例を対象とした国内臨床第I/II相試験(NCT04984889)および非日本人の先天性プロテインC欠乏症患者さんを対象とした2つの海外臨床第II/III相試験(IMAG-098試験、400101試験)に基づくものです。

国内臨床第1/2相試験は、薬物動態試験パートおよび継続試験パートからなる試験です。セプーロチンは、継続試験パートにおいて、電撃性紫斑病エピソードに対しての急性期投与(4例/8件)および短期補充投与(1例/1件)において有効性を示しました。副作用は、薬物動態試験パートで5例中1例に発熱が認められましたが、継続試験パートでは認められませんでした。

武田薬品工業株式会社のPDT R&D Japan リージョナルヘッドの廣田直美氏は「世界40カ国以上で販売されているセプーロチンが日本で承認されたことをうれしく思います。先天性プロテインC欠乏症は重篤な場合、生涯にわたり後遺症を残したり、亡くなってしまうこともある疾患です。先天性であることから新生児期から乳幼児期に診断し早期に治療することが重要になります。セプーロチンを新たな治療選択肢として提供し、先天性プロテインC欠乏症の患者さんに貢献できることを誇りに思っています」と述べています。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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