全身型重症筋無力症に対する抗FcRnモノクローナル抗体皮下注射剤リスティーゴが発売開始
ユーシービージャパン株式会社は11月28日、抗FcRnモノクローナル抗体製剤リスティーゴ皮下注280mg(一般名:ロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)、以下リスティーゴ)について、「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を効能・効果として、11月22日に薬価収載され、11月28日付で販売を開始したと発表しました。
全身型重症筋無力症は(gMG)、眼瞼下垂、複視、嚥下困難、咀嚼困難、発語困難などのさまざまな症状が現れる希少性の自己免疫疾患です。重症化すると、呼吸筋の筋力低下を引き起こし、呼吸困難を起こす場合もあります。発症の原因として、補体や免疫細胞、病原性IgG自己抗体が関係しているといわれています。
リスティーゴは、FcRnに結合し、IgG自己抗体を含む血中のIgG濃度を減少させるヒト化 IgG4モノクローナル抗体です。全身型重症筋無力症(gMG)の最も一般的なサブタイプである抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性および抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性gMGに有効性が認められています。
今回の発売は、全身型重症筋無力症(gMG)を対象とした日本人成人患者さんを含む第Ⅲ相国際共同試験MycarinG試験結果に基づいたものです。この試験において、主要評価項目であるMG-ADL総スコアの43日時点におけるベースラインからの変化量で、リスティーゴはプラセボ群に対して統計学的に有意にベースラインからの減少を示しました。また、リスティーゴは、これまで定量的な評価がされていなかった疲労感などの自覚症状の改善を認めました。
代表取締役社長の菊池加奈子氏は「ユーシービーが初めて本格参入する希少疾患領域において、初の抗FcRn皮下注射剤を重症筋無力症の患者さんにお届けできることを心より嬉しく思います。重症筋無力症の患者さんに、よりよい治療体験という価値を正しくお届けできるよう、医療専門家への情報提供活動とともに、患者サポートプログラムの充実にも注力していきます」と述べています。