血友病A治療薬として高い出血抑制効果を長時間維持するオルツビーオが発売開始
サノフィ株式会社は11月22日、血友病A治療薬として、高い血液凝固第VIII因子活性を長く維持するファースト・イン・クラスの高活性維持型血液凝固第VIII因子製剤オルツビーオ静注用250/500/1000/2000/3000/4000(一般名:エフアネソクトコグアルファ(遺伝子組換え)、以下オルツビーオ)の発売を開始したと発表しました。
血友病Aは、血液が固まるための血液凝固因子が欠乏することにより、関節における過度の出血や自然出血により、関節障害や慢性疼痛が現れる疾患です。治療法は進歩しましたが、出血抑制効果の向上、治療の負担緩和、生活の質向上、制限のない生活などのアンメット・メディカル・ニーズは未だ存在します。
従来の血液凝固第VIII因子製剤では、週2~3回の静脈注射による投与が必要であるという治療負担の大きさに加え、投与直前の第VIII因子活性(トラフ値)は出血抑制に十分なレベルとは言えず、患者さんは出血の不安を抱えながら生活をしている現状があります。
オルツビーオは、新しいクラスの高活性維持型血液凝固第VIII因子製剤です。週1回の投与で、出血抑制効果が長時間持続するよう設計された世界初で唯一の血友病A治療薬です。従来の血液凝固第VIII因子製剤による定期補充療法と比較し、12歳以上の重症血友病A患者さんに対して、有意に出血を減少させました。
また、成人および小児の血友病A患者さんにおける定期補充療法、出血時補充療法、ならびに周術期管理に使用できます。オルツビーオの基本の用量は50IU/kgで、年齢や臨床状態、活動レベルによらず、あらゆる患者さんに対して適用されます。
サノフィ株式会社代表取締役社長の岩屋孝彦氏は「オルツビーオによる治療で、患者さんがこれまで抱えていた出血の不安を軽減することが可能となるだけではなく、これまで諦めていたスポーツなどの活発な活動もできるようになると考えられます。オルツビーオは、血友病A患者さんにとって大きな前進となります」と述べています。