成人の肺動脈性肺高血圧症に対するマシテンタン10mgとタダラフィル40mgの配合剤、製造販売承認を申請
ヤンセンファーマ株式会社は10月23日、エンドセリン受容体拮抗薬「マシテンタン10mg」とホスホジエステラーゼ5阻害薬「タダラフィル40mg」との固定用量配合剤について、成人の肺動脈性肺高血圧症(PAH)を効能または効果として、製造販売承認を申請したと発表しました。
肺高血圧症は、心臓から肺へ血液を送る血管である肺動脈の血圧が高くなる疾患であり、そのうちの1つが肺動脈性肺高血圧症(PAH)す。肺動脈圧が高くなる原因は、肺の細い動脈(肺小動脈)の内側の空間(内腔)が狭くなり、心臓から肺に送られる血液が流れにくくなるためです。肺小動脈の内腔が狭くなる原因は十分に解明されていませんが、免疫の異常や遺伝的な要因、その他何らかの環境因子が関与していることがわかっています。
今回の申請は、日本および海外で実施された第III相A DUE試験の結果に基づくものです。同試験は、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の患者さんを対象に、マシテンタンとタダラフィル配合剤の有効性と安全性をマシテンタンとタダラフィル各単剤療法と比較しました。同配合剤は1日1回経口投与の薬剤です。
ヤンセンファーマ株式会社の取締役 研究開発本部 本部長のアマナス・シャーマ氏は「肺動脈性肺高血圧症の治療では、症状をコントロールするために、作用機序の異なる複数の治療薬を併用することがあります。2つの治療薬を配合剤とすることで、PAHの患者さんに新たな治療選択肢を提供するだけでなく、服薬の負担軽減という患者さんのニーズに応え、患者さんの治療や生活に新たな変化をもたらすことが期待できます」と述べています。