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無又は低ガンマグロブリン血症に対する皮下投与治療薬キュービトル、製造販売承認を取得

武田薬品工業株式会社は9月25日、「キュービトル20%皮下注」(20%皮下注用人免疫グロブリン製剤、以下キュービトル)について、2歳以上の患者さんを対象に、「無又は低ガンマグロブリン血症」を効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表しました。

無又は低ガンマグロブリン血症は、原発性免疫不全症(PID)または続発性免疫不全症(SID)による抗体が無い、または低い状態で、感染症を起こしやすいという特徴を持つ疾患です。無ガンマグロブリン血症は、Bリンパ球と呼ばれる免疫細胞の正常で成熟した増殖を阻害する遺伝子の異常によって抗体が産生されず引き起こされる遺伝性疾患です。一方、低ガンマグロブリン血症は、遺伝子異常によって遺伝することが多いですが、化学療法、特定の併存疾患、免疫抑制剤の使用などの二次的影響によって抗体が欠乏し発症する場合もあります。

日本において、原発性免疫不全症の早期診断が課題であり、免疫グロブリンによる治療の実施は、他の国と比較してはるかに低い状況です。今後、日本において血漿分画製剤を必要とする患者さんは増加すると考えられます。

今回の製造販売承認は、原発性免疫不全症の日本人患者さんを対象にキュービトルの有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価した臨床第3相試験(NCT04346108)、ならびに原発性免疫不全症の患者さんを対象とした北米と欧州の臨床第2/3相試験(NCT01218438・NCT01412385)の結果に基づいたものです。

キュービトル投与期間中に、重篤又は重度の有害事象は報告されておらず、主な有害事象は、頭痛および注射部位腫脹各4例(23.5%)、注射部位紅斑3例(17.6%)でした。これまでに武田薬品工業株式会社が海外で実施した2つの臨床第2/3相試験においても、有効性および安全性が確認されています。

今回の承認取得により、キュービトルは武田薬品工業株式会社にとって初の皮下投与免疫グロブリン製剤になりました。

武田薬品工業株式会社PDTビジネスユニットR&D Japanリージョナルヘッドである廣田直美氏は「世界30カ国以上で承認されているキュービトルが、無又は低ガンマグロブリン血症に対する当社初の皮下投与の治療剤として日本で承認されたことをうれしく思います。免疫不全症患者さんは、肺炎、敗血症およびその他の再発性感染症を含む重篤な感染症に罹患することが多く、免疫グロブリン補充療法はこれらの患者さんに対する標準治療です。血漿分画製剤を必要とされている患者さんに新しい治療選択肢を提供できることを誇りに思っています」と述べています。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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