【米国】長期発作抑制治療薬Garadacimab、遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんへの月1回皮下投与で発作率を抑制
米CSL社は3月15日、Garadacimab(CSL312)の多施設国際共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較第3相試験であるVANGUARD試験の結果を発表しました。
Garadacimabは、CSL社が開発している遺伝性血管性浮腫の長期発作抑制治療薬です。活性化第XII因子(FXIIa)を標的とした初めて検討した試験の結果から、プラセボと比較して、Garadacimaの月1回皮下投与は1カ月あたりの発作率を有意に抑制することが示されました。
遺伝性血管性浮腫は、遺伝子変異が原因で、皮膚や粘膜などの体のさまざまな場所に腫れやむくみが起こる疾患です。
米国ペンシルベニア州立大学の医学・小児科学・生物医科学教授で同治験の責任医師である Timothy Craig博士はプレスリリースにて「HAE発作に至るカスケードの下流ではなく、カスケードの起点であるFXIIaを標的としてHAE発作を抑制するという、革新的な治療アプローチです」、「発表した第3相試験データは、HAE発作抑制治療薬としてGaradacimab が使用される可能性を裏付けています」と述べています。
今回の多施設国際共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較試験では、Garadacimabを投与した患者さんとプラセボ群の患者さんを比較しました。その結果、6カ月、Garadacimabを投与した患者さんの61.5%が無発作であったのに対して、プラセボ群では無発作の患者さんはいませんでした。
これらの試験におけるGaradacimabの安全性に関する結果は、良好な安全性プロファイル及び忍容性が示され、投与中止に至った有害事象はありませんでした。注射部位反応は、Garadacimabの投与を受けた2名(5.1%)およびプラセボの投与を受けた3名(12%)に見られましたが、いずれも軽度とのことです。
CSL社R&D Immunology部門のバイス・プレジデントであるCatherine Milch氏はプレスリリースにて「AAAAIで共有されたデータは、利便性の高い月1回のGaradacimabの皮下投与による有効性及び良好な安全性プロファイルを示しています。臨床試験の結果は、GaradacimabがHAE患者さんに有意なベネフィットをもたらすファースト・イン・クラスの治療候補であることを裏付けています」、「Garadacimabは、希少疾患を抱える患者さんにイノベーションと新たな治療選択肢をもたらすという当社の約束を実現する次のステップです」と述べています。