好酸球性食道炎(EoE)に対するファセンラの第III相試験、組織学的寛解で統計学的有意な改善示すも嚥下障害症状は改善示さず
英アストラゼネカ社は10月25日、好酸球性食道炎(EoE)を対象としてファセンラ(一般名:ベンラリズマブ)とプラセボを比較したMESSINA試験において、2つの主要評価項目のうち組織学的寛解で統計学的に有意な改善を示したものの、嚥下障害の症状では統計学的に有意な改善を示さなかったと発表しました。
好酸球性食道炎(EoE)は、アレルギー反応に関与する好酸球という白血球の一種が食道に集まり、嚥下困難(嚥下障害)、疼痛、食物のつまり感、不安などの症状が現れるまれな進行性の慢性炎症性疾患です。
今回の発表は、好酸球性重症喘息の追加維持療法として承認されているファセンラを用い、12歳から65歳までの症候性で組織学的に活動性のEoE患者さんを対象に行われた第Ⅲ相MESSINA試験の結果です。24週時点の解析では、プラセボと比較して統計学的に有意な組織学的寛解の改善を示しましたが、嚥下障害の症状の変化は示されなかったそうです。
アストラゼネカ社 バイオファーマ研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントのMene Pangalo氏はプレスリリースにて「好酸球性食道炎に関する第Ⅲ相MESSINA試験の結果から、ファセンラがその作用機序どおり、組織中好酸球をほぼ完全に除去したことが確認されましたが、これは嚥下障害の症状の改善にはつながりませんでした。我々は引き続き完全なデータセットの分析を続け、科学コミュニティと共有する予定です」と述べています。