特発性多中心性キャッスルマン病のサブタイプが確立
岡山大学は9月29日、特発性多中心性キャッスルマン病におけるサブタイプの確立について検証し、良好な治療反応性を示す独立したサブタイプが存在することを明らかにしたと発表しました。
この成果は、同大大学院保健学研究科の錦織亜沙美大学院生、岡山大学病院病理診断科の西村碧フィリーズ医師、学術研究院保健学域の佐藤康晴教授ら研究グループによるもので、学術誌「InternationalJournal of Molecular Sciences」に9月7日付で掲載されました。
特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)は、全身のリンパ節の腫れや、発熱、貧血、倦怠感等の全身症状を引き起こす原因不明の疾患。現在、特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)の治療法として、日本では抗IL-6受容体抗体が承認されていますが、あくまで対症療法となります。
今回の研究では、特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)を対象に病理所見、臨床所見、治療反応性を解析。共通する検査値異常を示す症例群を抽出し、その他の特徴を比較することで、それらが均一な疾患群として確立されるのかを検証しました。その結果、特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)の中には、特徴的な病理所見と緩徐な臨床経過、および抗IL-6受容体抗体が奏功する独立したサブタイプが存在することが明らかになりました。
今回の研究成果により、特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)のサブタイプが確立されたことで今後、診断や治療法の選択、病態解明につながることが期待されます。