こうさんきゅうせいたはつけっかんえんせいにくげしゅしょう好酸球性多発血管炎性肉芽腫症eosinophilic granulomatosis with polyangiitis
指定難病45
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
チャーグ・ストラウス症候群
アレルギー性肉芽腫性血管炎
実施中の治験/臨床試験
募集状況 | 試験名 | リンク先 | 最終更新日 |
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募集前 | JPVAS血管炎前向きコホート研究 | umin | 2021・01・28 |
募集前 | 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の病態を解析する研究 | umin | 2020・10・14 |
募集中 | ANCA関連血管炎における蛋白質の変化の検討 | umin | 2020・06・30 |
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病気・治療解説
概要
気管支喘息やアレルギー性鼻炎をもっている患者さんで、白血球の一種である好酸球が異常に増加して、体の様々な場所の細い血管に炎症(血管炎)を起こし、血液の流れが悪くなって種々の臓器の障害を生じる病気です。早期に炎症をとる治療を行うことで血管炎が抑えられて、症状も改善しますが、末梢神経の障害によるしびれは長く残ることがあります。また、治療を弱めたり中止したりすると、しばしば再発しますので、慎重な観察が必要です。
罹患数
日本で現在医療機関を受診し治療を受けている患者数は、およそ2000人です。年間新規患者数は、約100人と推定されています。
疫学
40~70歳に好発し、実際の患者の平均年齢は55歳くらいです。男女比は1:1.7でやや女性に多い病気です。アレルギー疾患(ほとんどが気管支喘息、時にアレルギー性鼻炎)を持っていて、その治療に難渋して再燃や再発を繰り返している患者さんに多く発症する傾向があります。
原因
原因は不明です。一時、ロイコトリエン拮抗薬を服用している患者に多いことから、この種の薬剤によって誘発される可能性が指摘されましたが、因果関係は証明されていません。
白血球の一種である好中球に対する抗体(抗好中球細胞質抗体:MPO-ANCA)が約50%の患者にみられ、これが病因に関与している可能性が考えられていますが、やはり関連は不明です。
遺伝
家族内発症をほとんど認めませんので、遺伝的要素はほとんどないと考えられます。
症状
もともとあった気管支喘息が悪化して発作の回数や強さが増します。全身の血管の炎症によって体重減少、発熱などがしばしば見られます。血管炎による末梢神経障害によって手足のしびれや麻痺(動きが悪くなる)が多くの患者さんで見られます。その他、皮膚の血管炎による出血班(紫斑)などの皮膚症状、肺の病変による咳や血痰、心筋の障害による動悸や息苦しさなども見られることがあります。また、腸の血管炎による腹痛や消化管出血、脳や心臓の血管炎による脳出血・脳硬塞、心筋梗塞、などの重篤な合併症も起こることがあります。
治療法
一般的にはステロイド薬で治療します。プレドニゾロン30 -60 mg/日で治療を行ない、症状が改善したらゆっくり減らしていきます。一年間以上の長期にわたり治療する必要があります。早期に治療を中止すると、再発をきたしますので注意が必要です。また、脳・心臓・腸などの重要な臓器に病変がある場合には、しばしば免疫抑制薬のエンドキサンを併用して治療します。さらに、2018年5月に抗IL-5抗体のメポリズマブ(商品名ヌーカラ)が保険適用になり、従来の一般的な治療で効果が不十分な患者さんに使用できるようになりました。また2010年1月からは、長く残存する末梢神経障害に対して、高用量ガンマグロブリン療法が保険適用になっています。
経過
ほとんど(90%以上)の症例は、適切な治療によって軽快します。少数(10%未満)で、脳出血・脳硬塞や心筋梗塞、腸穿孔、重症腎炎を生じ、麻痺や腎不全、視力低下を残すことがありますが、死亡に至るのは1%程度です。
一度軽快しても、治療を緩めると再発することがありますので、治療は長年続けることになります。しかし、ごく一部の症例では治療を中止できる可能性もあります。
患者さんに知って欲しいこと
特別にこの病気のための日常での注意事項はありません。主治医の指示に従って処方された薬剤をきちんと服用し、定期的に必要な検査を受けてください。
※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。