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RNAi治療薬ブトリシラン、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬として日本で承認申請を実施

Alnylam Japan株式会社(以下、アルナイラム)は2021年12月20日、RNA干渉(RNAi)治療薬「ブトリシランナトリウム(以下、ブトリシラン)」について、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの治療薬として日本における製造販売承認申請を行ったと発表しました。

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、トランスサイレチン(TTR)というタンパク質を作るTTR遺伝子の変異が原因の進行性難治性疾患。TTR遺伝子変異によってTTRタンパク質由来のアミロイド線維が形成され、末梢神経や心臓など全身の臓器・組織に蓄積することで、治療が難しい神経障害や心機能障害、自律神経障害などのさまざまな症状が現れます。

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの患者数は全世界で約5万人と推定され、日本は、ポルトガル、スウェーデンに次ぐ患者集積地と考えられています。

今回の承認申請は、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーと確定診断された患者さんを対象に、ブトリシランの有効性と安全性を評価した「HELIOS-A第III相試験」の肯定的な結果に基づくもの。同試験には、日本を含む22カ国の57施設から164名のトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者さんが参加しました。

主要評価項目は、同試験と同様の患者集団を対象としてパチシランの有効性と安全性を評価した「APOLLO第III相試験」のプラセボ群と比較した投与9カ月後の補正神経障害スコア(mNIS+7)のベースラインからの変化量でした。

アルナイラムの代表取締役社長兼アジア地区シニア・バイスプレジデントの中邑昌子氏は、プレスリリースにて「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの治療において、薬剤投与の頻度を減らせることは、定期的に通院される患者さんの負担軽減の観点から重要であり、医療上の必要性が高いものです。ブトリシランが新たな治療選択肢となり、患者さんに貢献できるよう、承認取得に向け引き続き尽力してまいります」と述べています」と述べています。

なお、同剤は日本国内において、2021年10月1日に希少疾病用医薬品に指定され、優先審査の対象となっています。

出典
Alnylam Japan株式会社 プレスリリース

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