肺動脈性肺高血圧症治療薬ウプトラビ、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対する追加承認を取得
日本新薬株式会社は8月25日、同社が創薬した肺動脈性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ(R)錠0.2mg、同0.4mg」(一般名:セレキシパグ)について、日本国内において「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」を効能・効果とする製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表しました。
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、肺血管の内部に血栓が詰まることで、肺動脈へかかる圧力が上昇し、肺と心臓の血流が低下する疾患。その患者数は、国内において約4,200人とされており、国の難病に指定されています(指定難病88)。治療法としては、血栓を取り除く外科手術、カテーテルを用いて血管を広げる治療、肺動脈を広げる作用を持つ内服薬によって行われます。
ウプトラビは、プロスタサイクリン受容体(IP受容体)に対して、選択的かつ持続的に作用することで血管拡張作用を示し、肺の血行動態を改善する経口剤。2016年6月にCTEPHに対する適応で厚生労働省から希少疾病用医薬品の指定を受けていました。
国内では、肺動脈性肺高血圧症治療薬として2016年11月に販売を開始し、海外ではジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が世界60か国以上で承認を取得しています。なお、国内での同剤の情報提供・収集活動は、J&Jの医薬品部門日本法人であるヤンセンファーマ株式会社と共同でプロモーション活動が行われています。
今回の追加承認に当たり、同社はプレスリリースにて、「当社は、難病・希少疾患を注力領域として位置づけ、新たな治療剤の開発および製品の情報提供に取り組んでいます。このたびの本剤の適応追加により、CTEPHで苦しむ患者さんやそのご家族、および医療関係者の皆さんに貢献できるものと期待しています」と述べています。